林業は、地域の自然と産業を支える重要な基幹産業です。しかし現在、日本の林業業界では深刻な「人手不足」が進行しています。本記事では、統計データと現場の実態から、その構造的な問題点と今後の課題を図解とともに解説します。
目次
全国企業の倒産と人手不足倒産の関係
2024年、全国の企業倒産件数は10,006件と、11年ぶりに1万件を超えました。中でも、人手不足を要因とした倒産は309件と過去最多を記録し、深刻化しています。


埼玉県における地域別の実情
埼玉県でも、2024年の倒産件数が410件と11年ぶりの高水準に。物価高騰と人手不足が背景にあります。

林業の労働力動向(全国)
林業従事者は1980年の14.6万人から、2020年には4.4万人へと約70%減少。一方で、高齢化率は25%に達しています。


「緑の雇用」による新規就業者の増加
国が支援する「緑の雇用」制度の導入により、年間平均の新規就業者数は2,000人から3,200人台へ増加。2023年には3,333人となりました。

埼玉県の林業従事者とその構成
埼玉県の林業従事者は1960年の約3,274人から、2020年には300人未満に減少。ただし、20~40代が約6割を占めるなど、一定の若返り傾向も見られます。


まとめ|林業の未来を支えるには
林業を取り巻く人手不足は、全国的かつ構造的な問題です。
しかし、「若年層の増加」「緑の雇用制度」など前向きな要素もあります。地域に根差した持続可能な林業の確立には、
- DX導入による省人化・効率化
- 女性や高齢者の活用
- 地域資源の付加価値化
といった多角的なアプローチが求められます。
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